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アンクルとの戦い-第3章

 遡ること数ヶ月......。
 アスファルトから抜ける赤土の脇道に、これから大きく育つであろう数本のヤマボウシと、彼らを雄に見下ろす巨大な松の裾野。いつになくくっきりと付けられた幅の広い轍のその先で、低くアイドリング音が震えている。そこにはアンクル甥達が、すでにボーリングされた井戸へとポンプを降ろす姿があった。井戸の深さは100m。約4mの鉄の給水用パイプを継ぎ足しながら降ろしてゆく。
 この時、アンクルは姿を見せなかった。その代わり、別のスタンド使いが傍らに居たはずだ。彼は、一見平凡なおやじだが「ユニック」というクレーン付きトラックを操る。そしてこの「居たはず」というのは、施主はこの作業には立ち会えなかったのだ。その頃施主は、自らのスタンドパワー強化のため、頻繁に他県に行かなければならなかった。施主は、家族にアンクル族の見張り託し、一抹の不安を抱えながら、現場を後にしていた――。

 施主が他県で事を為している頃、現場では頼りない会話が交わされていた。
「降りんなぁ~」
「どこかにあたっとるんじゃろうか?」
 アンクル甥達は、少し引きあげ、また降ろすを繰り返す。
「無理するとポンプが壊れるけん。止めようや」
 甥はそう言うと、約70mで作業を終えた――。

 施主が帰宅すると、家族から状況を告げられた。納得のいかない施主は、アンクル甥に電話をした。
「ユニックの問題ではないのか?」
 アンクル甥が応えた。
「まっすぐ掘られてないんじゃないですか?」
 
 ボーリング穴は、掘削後ボーリング径に合わせた塩ビ管で外周を全て補強する。この時、よく考えてみれば、アンクル甥が言うように、もしまっすぐ掘られていないならば、塩ビ管が100m降りるわけがなかった。しかも内径が12cmもある太い管だ。しかしその時点では、施主がとっさに切り返すことはできなかった。

 施主達は数週間。いや数ヶ月だろうか。満足のいく水量が得られない為、日常生活に苦労が伴った。水洗ではあったが、水量を抑える為、施主とヨッシーはなるべく外で用を足した。余談だが、それに伴いヨッシーのスコップさばきにますます磨きが掛かった。
 
 業を煮やした施主は、ボーリング会社に確認を取ることにした。
「もちろんまっすぐ掘られてますよ。確か塩ビ管は貴方の依頼で特別に太い内径のものを使ったはずです。使用するポンプは10cm(直径)満たないのだからマージンが周りに2cmもあります。降りないはずがありません。ようするに、業者が経験不足なのですよ」
 
 やはりそうか・・・・。施主は確信を持つと、アンクル甥にボーリング業者に伝えられたそのままを告げた。もちろん、経験不足という文言を削除して・・・・・。
 アンクル甥が不機嫌そうに言った。
「やり直しますけど、降りないことは覚悟してて下さいね。何回もやってみたんですから(`ε´)」
「分かってます」
 この時、互いが強気だったに違いない。しかし施主としては引くことができない。ボーリングに150万円掛かっているのだ。新たに掘り治すことは金銭的にも不可能だった――。

――そして決戦の時は訪れた。アンクル甥達と施主。対峙する両者の間には、今まさに沈黙する井戸があった。

 見守る施主。そして降りてくれては立場がないアンクル甥とスタンド「ユニック」。ポンプは、まず少し引きあげることから始まった。そして、「ユニック」がそのクレーンから垂れるワイヤーをゆっくりと伸ばしてゆく。吸水管を繋げる前に、実際に降りるかどうかを確認するのだ。

 止まらない・・・・?!∑(゜□゜*) どんどん降りてゆく(((゜Д゜;))) アンクル甥達の顔色がにわかに変わった。
「降りるのぉ~なんでじゃ~?(~ヘ~;)」
 アンクル甥が「ユニック」と顔を見合わせる。相反するように、ホッと胸をなで下ろしほくそ笑む施主( ̄ー+ ̄) アンクル甥は、ばつが悪そうに苦笑いしながら言い訳をした。
「でもあの時はホントに降りんかったんよ?((^┰^))ゞ テヘヘ」
 施主は笑顔で応えた。
「分かりました。もういいです。取り合えず降りて良かった」

 ポンプが降りることが確認されたことで、アンクル甥達はそれを元に引きあげ、残り約30m分の吸水管の繋ぎ作業を開始した――。

挿し絵
ユニック
 

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タラの芽団地

Author:タラの芽団地
タオイスト
ベジタリアン
合氣道々場主

猫は左が紫苑、右が八雲。

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