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アンクルとの戦い-第4章

 それはまだ、電力会社からの三相200V電源が、ポンプシステムのユニットに配線されてすぐのことだった。

 このシステムは、井戸水がポンプに達しない場合と、地上側のタンクが満水になった場合に於いて通電がOFFになるセンサーが付いている。それぞれ空回り防止のためと、オーバーフロー防止の為だ。前者はある高さに水を感知するセンサーが取り付けてあり、後者はタンク内の蛇口が閉じられることで伝わる。そしてそのタンク内の蛇口には、比較的安価な、トイレタンクと同様のフロート型の蛇口でまかなった。

 このようなフロート型は、満水近くなると、水面が波打つため、蛇口が閉じたり開いたりを繰り返す。そうすると、センサーが何度もカチカチ・カチカチ・・・と作動し、その寿命を短くする。
 施主は、その事は百も承知で、フロート型を選んだ。

「ねぇ、ポンプがカチカチ鳴ってるよ」
 そんな相方の呼びかけに「満水なんじゃないの?」と施主が応えた。
「そう・・・・・」
 納得したのか、相方はスッと踵を返した。ところが、しばらくして――

「ねぇ、ポンプがずっとカチカチ鳴ってるよ」
 そんな相方の呼びかけに「満水? の訳ないよな?」と施主は窓から顔を出し、その音を確認した。すると、カチカチ・カチカチというセンサー音が途切れる事なく鳴り続けていた。

 はて? カチカチ虫でもいるんだろうか? 山ん中だし・・・・。施主は、これがアンクルの力でないことを願った。


 施主はアンクル甥に電話を掛けた。
「あの~ぅ、センサーがずっとカチカチ鳴ってるんですけど・・・・」
 それにはさすがにアンクル甥も「え? それは変ですね? すぐ行きます」と出先から直行してきた。

「ほんとにずっと鳴ってますね・・・」
 アンクル甥は、首をかしげながら自ら行った配線を確認すると、ポケットから携帯を取り出し、ポンプメーカに電話した。
「来てくれるそうです」
「そうですか・・・」
 陽はまだ長い。街から来てもそう暗くはならないだろう・・・・。施主は西の空を見上げ、そう思った――。 

 メーカのエンジニアが来る間、アンクル甥は配線図を手に「逆に繋げとるんじゃろうか?」と、その目が図面と配線を交互する。そして何を思ったかドライバーで留めネジを外し、数本ある配線を繋ぎ変えた。そして電源を入れると、あのカチカチ言う音が鳴らなくなった。
「ああ、今度は鳴りませんね」
 施主が言った。

 そうこうするうち、エンジニアが到着した。
「遅くなりました」
「いえ、どうもご苦労様です」
 そんなたわいないやり取りの後、エンジニアが配線を確認する。そして言った。
「配線は問題ないですよ。これで間違っていません」

 アンクル甥の顔が、窺うような表情で施主に向けられた。施主は心で叫んだ。

 てことは間違ってたってってことじゃねーか! テメーはしろーとかぁ!☆○=(`◇´*)o

 癒しを求めた地に於いて、施主の心が安まる日は無かった――。

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タラの芽団地

Author:タラの芽団地
タオイスト
ベジタリアン
合氣道々場主

猫は左が紫苑、右が八雲。

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